表参道で開催されていた「脳よだれ展2018」に行ってきた。
博報堂プロダクツのフォトグラファー23名と博報堂のアートディレクター23名がタッグを組んだ写真展だ。
ノークライアント、ノーオリエンで「23の欲求」をテーマにした作品が並べられていた。
芸術家の展覧会よりも、広告のクリエイターだけあって広告っぽかった。わかりやすくメッセージが翻訳されており、コンセプトが明確に表現されているといった点が、広告っぽいと感じた理由だ。
テーマは「23の欲求」
「23の欲求」に対してのそれぞれのアプローチをみていると、改めて広告のクリエイティブはアイディアが最も重要だということに気づかされた。
当たり前のことであるが、仕事でクリエイティブをつくるとなると様々な要因がからみ、見失いがちなように思う。
今回の「脳よだれ展2018」の作品は、楽しかったり、新しかったり、不思議だったり、見る人の感情を意識してコンセプトに落とし込まれている。
また、企業やクライアントがおらず、クリエイターがまさしく欲求のままに表現したからこそ、作り手の感情がありありと表現されていたのかもしれない。
見ていて楽しいというのは、クリエイティブの根源だ。(ここでの「楽しい」には様々な感情が含まれる)
それが仕事になった時、クライアントを喜ばせるため、あるいは不確定要素をさけるため「見た目をきれいに」「整った」「まとまりのある」クリエイティブを目指しがちになってしまうことが多々発生する。
見栄えばかりを気にしていても、見ていて楽しいクリエイティブは生まれない。
クリエイティブの見た目は手段であり、アイデアが主幹だという話は、以前書いた「人気のイラストレーター」の記事では、最近人気のイラストレーターはイラスト単体だけではなく、イラストで伝える「コト」が重要だという話と同じかもしれない。
技術があがると見栄えが良くなりそれっぽいものがつくれるようにはなるけれど、重要なアイディアの部分を忘れてしまってはいけない。
私自身の最近の仕事を振り返ると理論だっていて、説明しやすくて、企画を通しやすいものばかりになっていたかもしれない。
全体を通して
もっと楽しもう、感情的にものづくりをしよう、もっと自由に。
そう感じることができた写真展だった。
この感情が「脳よだれ」なのかな。
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