クリエイティブディレクターの話

突然ですが、クリエイティブディレクター(CD)って何をしている人かご存知でしょうか。
Wikipediaには、”コンセプトを開発し、アイデアを具現化するための指針を決定する責務を担い、各分野の専門スタッフを指揮する中心的な立場の人物である。”と書かれています。

なんとなく分かったような分からないような・・・笑

基本的にクリエイティブディレクターという肩書きに明確なルールはありません。
「企画の方向性や根幹を考える人」ということは一貫しているような気がしますが、様々なスタイルやカタチがあります。

コンセプトだけを考える人、クリエイティブにまでコンセプトを落とし込む人、制作の指揮をとる人、自らも手を動かす人など様々です。大手の広告会社や制作会社になればなるほど、仕事は細分化されているような気がします。クリエイティブディレクターがコンセプトを決めて、アートディレクター(AD)がアウトプットするというようなカタチです。アートディレクターがコンセプトから考えCD的な役割を果たす方もいます。

最近では1人の人間がいろいろな分野を手がけることも多くなってきたため、職種の境界線も曖昧でCDやADの定義も多様化してきている部分もあります。

では、クリエイティブディレクターがいるのといないのとでは、どのように企画や制作が変わってくるのでしょうか。

例えば、A社が自社商品の広告をうつことになったとします。
社内で話し合った結果、webCMを作ろうとなりました。
そして、広告会社か制作会社に発注するとします。

発注先の会社にCD的な人物がいない場合、
発注先の会社はA社の要望を最大限に実現することになります。

こういう結果が欲しい(視聴数、クリック数など)
こんな映像を作りたい
この事を言いたい
こういうメッセージを出したい・・・

そう、この場合自分自身がCD的な立場になるのです。
この時CD的な立場にいるという認識がない、もしくはCDという役割の理解がないと、
なんとなく言った事や、趣味や好みでの判断が、全て反映されることになります。
そうすると、クリエイティブや企画の細部がちぐはぐなものとなり、最終的なクオリティに大きな影響がでることがあります。(または担当者の好みのものになる。)

対して、発注先の会社にCDがいる場合、
CDが求める情報は、どういうものが作りたいかという最終的なアウトプットのカタチではなく、「今回の施策の本質的な目的」です。
追求すると「宣伝しようとしている商品で世の中をどうしたいか」というところまで深堀りしたりします。

アウトプットや施策は手段であって、本質的な目的をまず明確にし、そこから逆算して今やるべき最適な企画やプランを考えます。
それが「企画の方向性や根幹を考える」ということになります。
また、本質的な目的を明確にするという工程は、プロジェクトに関わる人全員が同じ方向を向くためのプロセスでもあります。
本質的な目的から逆算すると、そもそもwebCMが最適ではないのかもしれない、広告ではなくサービスの改善が必要なのかもしれないなどと、課題の解決方法も変わってくる事も少なくありません。
CDが本質からコンセプトを導き、全員が同じ方向を向いていると、アウトプットのカタチが変わっても、一貫性のあるプロジェクトとなるのです。

分かりやすくするために、極端に書きましたが、だいたいはこんな感じです。
ただ、はじめに言ったとおり、肩書きにルールや業務範囲はありません。
クリエイティブディレクターという肩書きだけではその方の働きまでは判断できないと思います。

何かしらの課題を解決したい時などは、CD的なマインドを持って進めていくと、一歩踏み込んだ解決策がみつかるのではないでしょうか。

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