コロナ禍で役に立った書籍「FACTFULNESS」

ライフハック

TVやネット、噂話まで、新型コロナウイルスで様々な情報が飛び交う中で、以前読んでいた「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」という本が役に立ったのでご紹介します。とても話題になった本なので、知っている方、読んだ方も多いのではないでしょうか。

スポンサーリンク

FACTFULNESS(ファクトフルネス)とは

マインドフルネスやらファクトフルネスやら、ややこしいなぁという感じですが、FACTFULNESS(ファクトフルネス)は著者の造語です。
意味は「正しく物事を把握しよう」みたいなそんな感じです。

脳は錯覚する

目の錯覚ってありますよね。同じ長さなのに、一方が長く見える図形や、同じ色なのに違う色に隣り合う色によって、違う色に見えたりするあれです。それと同じように脳も錯覚を起こすんです。(目の錯覚も厳密に言うと脳の錯覚ですが、それはおいておきましょう…。)

言い換えると、認識の錯覚です。実際にはごく稀な出来事をたくさん起きているように感じたり、実際起きていることよりも深刻に捉えてしまったりと形は様々です。

ギャップマインダーテスト

自分がどれくらい世界や常識を正しく認識しているかが分かる「ギャップマインダーテスト」というものがあります。「FACTFULNESS」の書籍内でも主として取り上げられています。13問の3択クイズに答えるだけなので、お時間がある人は試しに受けてみてください。

▼「ギャップマインダーテスト」※2018年版
http://forms.gapminder.org/s3/test-2018

時間がない人のために、1問だけ問題を抜粋します。
深く考えず、直感で答えるのがポイントです。

問題

「世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?」

A:30%
B:50%
C:80%

いかがでしょうか。それでは、正解発表です。

この問題の正解はC:80%です。正解しましたか?

もし間違えたとしても心配はいりません。ギャップマインダーテストは世界14カ国で実施し、それぞれの問題の正答率がでているのですが、この問題の正答率は20%を超える国はありませんでした。

この数字が表しているのは、単に人々が無知だとか、問題が難しいという話ではなく、明らかに脳の錯覚が起きていると言うことです。

全くわからない問題に対して、当てずっぽうで答えた場合、正解率は33%になるはずです。しかし、33%を大きく下回る結果がでたということは、多くの人がこの世界には極度の貧困層が50%以上いると感じているということになります。

ちなみに頭のいい人たちが集まる講演会とかでも同じような正答率だったようです。

誇張されやすい情報

先ほどのようなことが起きる理由のひとつに、人はドラマティックな情報をより強く記憶するということがあるようです。

これは太古の生存本能に関わりがあります。「あそこでライオンに食われた!」という情報は生死に直接関わるものです。情報を深刻に受け止めることで、その場所をさけ、危険から身を守っていました。

その名残で、「どこかの国の貧しい子ども」の写真や映像を見れば、「世界にはこんな貧しい国がたくさんあるんだ!」「貧困がなかなか解決されていない!」とより深刻に、誇張して捉えてしまいます。

これによって、実際の世界と、認識との間にギャップが生じるようです。実際にはモノや情報の発達で、世界の極度の貧困層はとても少なくなっているのにも関わらずです。

補足

ちなみに、著者は「貧困層に目を向ける」「深刻に受け止めること」自体を悪く言っているわけではなく、事実と思い込みのギャップに注意するべきだと言っています。

コロナ禍でもファクトフルネスが必要

ファクトフルネスは、「自分のバイアス(思い込み)に気づいて、正しく世界を見よう」ということですね。

コロナ禍でも、初期の頃は亡くなられた方や、重症のケースなどの報道を見て、「コロナにかかったら死ぬ」のように感じた人もいるかもしれません。人がどうのようなバイアス(思い込み)にかかりやすいかを知ることで、感情によって歪められた世界ではなく、死亡率や傾向などの正しいデータによる正しい世界を認識できるようになります。

思考を停止させる「犯人探し本能」

人々の中にある「犯人探し本能」もファクトフルネスの障害です。

「犯人探し本能」とは、なにか悪い事態が起きた時に、犯人(標的)を見つけ攻撃する性質です。思い当たる節ありませんか?

例えば、あのリーダーが悪い、あのメディアが悪い、あの人が悪い、あの会社が悪いなど。このコロナ禍でも様々な情報が飛び交う中で、「犯人」を探す本能にかられている人は多いのではないでしょうか。

注意すべきことは、ひとりの人やひとつのグループを責めてはいけないということです。犯人(または標的)を見つけてしまうと、考えるのをやめてしまうからです。

「考えるのをやめてしまう」というのがミソですね。では何に目を向ければよいのか、それは、しくみやシステムと著者は言っています。

この世界はとても複雑で、これが悪い、良いでは説明ができないものばかりです。犯人ではなく、システムに目を向けることが大事なんですね。批判や意見はもちろんあっても良いと思いますが、矛先や行動を間違えてはいけないということです。

ちなみに、逆に物事がうまく言った時も同じで、ひとりの人やひとつのグループを讃えるのではなく、社会基盤とテクノロジーという2種類のシステムのおかげと思った方がいいと著者は言っています。人類の成功は、力のある偉大なリーダーを讃えがちだけど、その影に隠れている名もなきヒーローたちがたくさんいるよね、というお話でした。

まずは自分のバイアスに気づける本

この記事で紹介したのは、ほんの一部で、他にもたくさんのファクトフルネスの考え方や、方法が紹介されています。本を読み進めていくほど、自分が持っている世の中に対する間違ったバイアスに気づかされました。

興味がわいた方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

▲ amazonはこんな時でもとっても便利。物流に感謝。

コメント

タイトルとURLをコピーしました